『DQNの実装石4』
利明は躾を開始した。
アリサの仔実装をどこにも負けない優秀な仔実装として育てるためである。
利明も馬鹿ではない。
これでも義務教育は受けているのだ。
部屋の隅では仔実装たちを腕に抱き、子供達をあやす緑目のアリサがいる。
『テチュー!! 今日もガストが楽しみテチィ!!』
『今度はニンゲンを人犬にしてやるテチィ!!』
『あそこの玩具面白かったテチィ! 全部ワタチの物テチィ〜♪』
アリサは喜ぶ仔実装たちを見ては頬を赤らめる。
嗚呼。とてもいい仔たち。我が仔と一緒に暮らせる生活がこんなに素晴らしい物とは!
子供を産んで本当によかった。アリサは仔実装たちを見て心の中で誓う。
 おまえ達。何があっても、ママはお前達を守るデス。
 絶対、絶対、離れ離れなんかにならないデス。
 ずっと、ずっと一緒にいるデス。ママといつまでも一緒にいるデス。
 これからもずっとママと一緒に楽しいことをするデス!
 楽しいことを一杯するデス!!
デーと仔実装たちに話しかけるアリサに、利明が近づき話しかけた。
「おまえら。飯喰ってから、躾を始めるぞ」
「デ?」
「外に出かけるからな。お前らには立派な仔実装になって貰わんとな」
「飯」と聞いて興奮する仔実装たち。
「テチィィィィ!!!」(ガストテチッ! ガストテチィッ!)
「テキャァァァァ!!!」(やったテチ!やったテチ!テキャァァァッ!)
5匹中3匹は、昨日の興奮を思い出してはパンコンしていた。
仔実装たちはアリサのスカートを引っ張り、必死に玄関の方へと引っ張ろうとする。
「はいはいー。着たわよー」
早苗が玄関から岡持ちの男から寿司を受け取ってはテーブルに運んでいる。
昼は無論ガストではなく、二人は寿司の出前を頼んで済ましたのだった。
仔実装たちは、?な顔をしては、頭の上を通る早苗の持つ寿司皿を見上げては
ぽかーんと首を右から左にやる。
「へへへ。来た来たぁ…」
利明はテーブルに座っては特上寿司に舌鼓を打つ。
500万のアテがあるのだ。こんな贅沢ぐらいしても罰は当るまい。
子供たちは幸いにも学校だ。
小学校は給食があるため、子供たちの食費は心配することはない。
手持ちの現金については、アコムとプロミスは早苗名義でカードが作れるはずだ。
この仔実装たちが売れれば、一気にその返済に充ててやる。
仔実装が売れることを考えると、ますます目の前の寿司がうまそうに映った。
「テチィ?」(ガストに行かないテチ?)
「テチャァ!?」(ママァ?ガストはぁ?ガストでご飯するテチィ!)
「デスデス」(待ってるデス。ママが奴隷に命令するデス)
アリサは食卓を囲む利明と早苗に対して、ずかずかと詰め寄る。
「デギャァァーースッ!!」(おまえらっ!この可愛い仔たちをガストに連れて行くデスゥッ!!)
「お。アリサか(もぐもぐ)俺、イカ嫌いなんだよ。やるよ」
「デッス〜ン♪」
利明の箸から直接イカを貰っては、もぎゅもぎゅ口を動かすアリサ。
「テチャァ!!」(ママッ!何食ってるテチ!何か貰ったテチィ!)
「ゥグムゥグ…」(何も…(ムグムグ)貰って…(ムグムグ)ないデスゥ…)
「チャァ!! チャァ!!」(喰ってるテチ! 確かに喰ってるテチ!)
「…ング…ムグ」(疑う仔は…(ムグムグ)悪い仔デス)
「お。仔実装たちにはガリやるぞ。ガリ」
利明は薄汚れた畳の上に、箸でガリを放り投げる。
ペチャと湿った音をして、ガリの汁が畳に沁みる。
「テチ?」(何テチ?食べ物テチ?)
ガリを手にして口にする仔実装たち。
当たり前だが、ガリは主食で食べる物ではない。
ガリを口にした仔実装たちは、余りの酸っぱさに口から舌を出して、唾を大量に溢れさす。
「テチャァァァァ!!!」(ママァ!! こんなの食い物じゃないテチッ!!)
「テピャァ!! デピャァ!!」(テチャァァァ!! お腹ッ! お腹ッ! 空いたテチィ!! ガストテチィ!!)
仔実装たちは、アリサのスカートを引っ張っては泣き叫ぶ。
ある者は畳の上で地団駄を踏み、ある者は下着を緑色にさらに大きくさせる。
ある者は畳の上に転がっている利明の煙草の箱をペシンペシン叩いては
「デチャァァァ!!!」(ニンゲンッ!! ステーキを持ってくるテチィ!!)
と、昨日の快楽をリフレインしては叫んでいる。
「アリサ。エビ食べる? 私嫌いなの」
今度は、仔実装たちにもはっきり見えた。
早苗が持つ箸の先に、うまそうな寿司があった。
「デッス〜ン♪」
アリサはその寿司を口に入れては、四肢を丸めて蹲るようにモギュモギュと咀嚼する。
「デチチー!!」(喰ってるテチィ!! 今見たテチ!! 奴隷から何か貰ったテチィ!!)
「テェェェェン!!!」(ずるいテチ!! 一人だけガストテチィ!! ガストテチィ!!)
仔実装たちは、アリサの太った腿や腹に向かってぺしぺしと打撃を加えたり、
アリサの後ろ髪を引っ張ったりして奇声をあげている。
蹲った肉の奥で咀嚼音と何かを嚥下するゴクンという音が聞こえては、
口の周りにご飯粒をつけて、アリサはゲプゥ〜とゲップをしては起き上がる。
「デスゥ♪」(さぁ。お前達。子守唄を唄ってやるデスゥ〜♪)
「デチャァァァ!!」(唄なんかいらないテチィィ!! ガストくれテチィィ!!)
 ボエ〜♪ ボエ〜♪
「お。アリサはママしてんな」
「そうね。子供が生まれてから、落ち着きが出てきたわねぇ」
語り合う利明と早苗。
「さて。飯も喰ったし、アリサ。外に出るぞ。俺直々の躾を伝授してやる」
利明は爪楊枝を口に咥えて、アリサとその周りで泣き叫ぶ仔実装たちに言った。
利明は歩いている。
アリサはその後を仔実装を抱いてついてくる。
がに股歩きの肩を揺らして歩く利明独特の歩行は、アリサの早足で何とか追いつく
ことのできる速度だった。
「ま。こいつらにも色々と躾をしてやんねーとな」
利明は後ろからついてくるアリサをサングラス越しに見る。
アリサは手に2匹の仔実装を抱き、もう3匹の仔実装は下着の前ゴムに挟んでいる。
仔実装たちは空腹と泣き疲れか、みんなげっそりとしていた。
「まずは基本的な躾だな…」
利明はファスナーを降ろしては、商店街の店先でじょぉぉぉぉぉと小便を始めた。
「まぁ、飼い実装として売るんだ。トイレの躾ぐらいはこなさないとな」
残尿感があるのか、腰を振るようにして3回4回と残尿を切る。
キラキラと光った松の雫が、虹を描いてはアリサの頭巾に降り注いだ。
着いたのはここ双葉市の地元のスーパーマーケットである。
利明は煙草に吹かしながら、悠然とアリサたちを連れて食品売り場へと行く。
「アリサ。まずは手本だ。いつも早苗とやってるように頼むぜ」
「デス」
リンガルは使わずとも、早苗に何度も連れられたこの場所。
アリサは利明が言わんとする意図を理解する。
「お前達。見ているデス。これをすれば奴隷から甘い物が貰えるデス」
「「「テェ!?」」」
「甘い物」という言葉に反応する仔実装たち。
アリサは下着に固定されている仔実装たちをやさしく降ろすと、悠然とスーパーの中を闊歩した。
向かうは肉のコーナー。
鳴らない口笛を鳴らしながら、デス〜デス〜と白々しく肉売り場の近くにポジショニングする。
早苗にいつも言われているように、0が多い肉のトレイに辺りをつけて、それを素早く
手にしては、下着の中に入れた。
悠然と何事もなかったように、不自然な下着の形をさせながら、利明の下に戻るアリサ。
「よし。よくやったぞ。アリサ。今夜のカレーは肉入りだぜ」
「デス〜♪ デス〜♪」(肉デス〜♪ お肉たくさん食べるデスゥ〜♪)
「テェァ!!」(す、すごいテチィ!! ママッ!!)
アリサが勝ち得た戦利品の肉のパックを見ては、興奮する仔実装たち。
「よし。お前らも躾けてやるぞ」
利明はアリサの実演を交えて仔実装たちを躾けていった。
仔実装たちの下着の大きさに合わせてガムやチョコなどのお菓子を狙って躾を行う。
最初は散々だった。
お菓子コーナーに入るだけで仔実装たちは、その桃源郷のような光景に眩暈を感じる間もなく
 テキャァァァァァァァッッーーーーーー!!
 
と絶叫の金切り声を上げる。
我慢できずにその場で包装ごと口に入れて咀嚼し始める仔実装。
欲張って、下着にお菓子を入れすぎ、下着が5倍ぐらいに膨れて動けなくなる仔実装。
しかし、何回もこなしていくと、仔実装たちも要領を得たようで、的確にお菓子を下着に入れ、
何食わぬ顔をしてレジの横を通り、外に出れればお菓子を食べていいことを学習する。
利明は思った。
中々、アリサの仔実装たちは筋がいい。
これならば、5万どころでなく10万で売れるかもしれない。
利明は仔実装たちを売ることを考えると、自然に卑下な笑みが浮かぶ。
仔実装の成長は早い。
躾に時間がかかるようであれば、中実装となってしまい、貰い手も限定されてしまい
値が下がってしまうことが多い。
売るならば、最低限の躾を施した今だ。
利明は、足元の仔実装を見ては、ククククと笑みを零した。
アリサには悪いが、この仔たちとはお別れになることになるだろう。
だが寂しがることはない。
アリサには、また仔を成して貰うことになるのだ。
可愛い可愛い「生まれたての仔実装」と永遠に過ごし続ける事ができるのだから。
利明の足元では、仔実装たちに囲まれた緑目のアリサが、生肉を齧ったりしていた。
(続く)